中学に入ると多くの生徒が部活動に興味を持ち始めるものです。
ところが、最近の傾向として、部活に所属しない生徒が増えています。
コロナ渦で色々な生活の変化もあり、今と昔とではかなり考え方も変化しているようです。
部活に魅力を感じない生徒も、たまたま入りたい部活がなかっただけの生徒も、多くの親も、部活に入らない事が成績や進路に影響するのではと不安を抱くこともあるでしょう。
しかし、部活動への参加や不参加が成績評価、いわゆる内申点に大きく影響することは稀です。内申点は主に学業や日常の態度に基づいて評価されるもので、部活動はそれに直接関わるものではありません。
そうは言っても本当は違うんじゃない?実は不利なんじゃない?と言う心配をしてしまう事もあるでしょう。
実際に教員をやっている知人や卒業生・我が子や自分の実体験も含め、部活に参加するしないの心配な点や判断基準をいくつかご紹介します。
部活動を選択するか悩んでいる中学生やその保護者の方々の参考になると幸いです。
中学生が部活に入らないで習い事をしても大丈夫?内申点の心配について
中学生が部活動に参加しなかったり、途中でやめたりする場合、成績評価にどのように作用するかという疑問は自然なものです。
しかし、結果として明確に伝えるならば、部活動に不参加であったり、途中で退くことが内申点に直接的な影響を及ぼすことは稀です。
現在も中学教師をしている友人に訪ねたところ、部活を理由に進学先の合否に差があったり、部活を理由に推薦が取れないという事は、昔はあったかもしれないけれど今は全く問題ないとの事です。
特にコロナで休校や部活動の停止などあり、更に部活動の自由度も加速したようです。
・小学生から続けているサッカーのクラブチームに所属して、学校での部活は入っていない子。
・空手や水泳・体操など部活にはない習い事を継続している子供。
・様々な理由はありますが、必ずしもスポーツをしていないといけない事もありません。
・むしろ目指す別の進路の為に、学びの時間に費やす子もいます。
・勉強やスポーツだけとも限りません、押し活と言われる好きなジャンルへの興味に夢中の子もいます。
私自身、部活を途中で退いた経験がありますが、それが私の進学を阻む要因にはなりませんでした。
内申点は、主に学業の成果やクラスでの態度に基づく評価であり、部活動とは直接的な関係は少ないのです。
内申点を気にするならよっぽど、提出物を期限内にしっかり出すことを意識した方が良いと現役の教師が言っています。それも複数人・・・
確かにテストの点数が良いのに、提出物を出さない子は内申点が低くなりがちです。
もちろん、良好な内申点は受験においてプラスとなる要素ではありますが、部活動を強制的に継続することが他の面での負担となり、逆効果となるケースも考えられます。
全ての生徒が部活動で熱中できるわけではなく、自分に合った活動を選択することが大切です。実際、部活動にストレスを感じ、学業や健康に悪影響を及ぼす例もあります。
部活動自体は素晴らしい経験の場であることは確かですが、成績評価のためだけに無理に参加することはおススメ出来ません。
中学生が部活に入らないで習い事を優先しても、内申点は大丈夫?
中学に上がると、多くの生徒が部活動に参加しますが、すでに続けている趣味や習い事に集中したいと考え、部活に所属しない生徒も年々増えいています。
全ての学校が豊富な設備や専門の指導員を持っているわけではないですから、小学校時代からの習い事を続けることは十分に理解できる選択です。
実際子供のお友達も、習い事を中心に活動していて、全国レベルの大会に出場している人もいます。
ただ、習い事や外部のクラブ活動の難点として、学校のテストスケジュールに合わせてくれるケースが少ない点が挙げられます。
学校の部活動は、大抵テスト前は休止期間を設けるのが一般的ですが、外部の習い事やチームではそうはいかないことが多いです。同年代の子が多く通う習い事の場合は、配慮されているケースも多いですが、年齢層が異なる習い事の場合には注意が必要です。
もちろん、テスト期間でも習い事を続けられる生徒や、習い事の時間を使って勉強もこなせる生徒には問題は少ないでしょう。しかし、テスト前に集中して勉強したい生徒や、習い事での休暇を希望する生徒にとっては、この点が考慮されるべき事柄かもしれません。
もし学業とのバランスを取りたいのであれば、習い事の担当者や教師と早めに相談しておくと安心です。
たまに習い事をしている事を隠そうとする親御さんがいます。
習い事をしている事を先生に隠して不便なことが起きるより、しっかり伝えた上で理解して協力して頂いた方がよっぽど子供本人の為には良い事だと感じます。
中学生が部活に入らない理由は?後悔はない?
中学生の間で部活動に参加するのは、一般的なことのように感じられるかもしれませんが、実際には部活動を選ばない生徒も増加傾向にあります。
古い価値観からすると理解し難い場合もあるでしょう。でも思った以上に普通に部活に入らないを選択している生徒は増えてきています。
部活動に参加しない背景
部活動に参加しない背景には多様な理由が考えられ、以下のような点が挙げられます。
- 興味を持てるクラブが存在しない
- 無理しすぎると体調を崩しやすい
- すでに別の習い事や外部のクラブに参加している
- 先輩や同級生の人間関係に不安がある
- 学業を優先したい
- 体を動かすことが得意ではない
- 部活の経費が高額
特に、すでに熱心に取り組んでいることがある生徒や、学校のクラブ活動に魅力を感じない生徒は、所属せずに学校を終える選択をすることも少なくありません。
経済的な理由からクラブを選ばない生徒も少なくないです。クラブ活動によっては、様々な備品の購入や合宿費用など、思いの外高いコストがかかることがあります。
これが家庭の状況や価値観と合わない場合もあるでしょう。
部活動を選ばないことで懸念されるデメリット
部活動に参加しなかったことで感じる可能性のあるデメリットとして、若いうちに気軽に新しいことに挑戦する機会が減少することが考えられます。
どうしても歳を重ねるにつれて、新たなことへの取り組みが難しくなってくる傾向が見られます。
その点中学生の時ならではの新しい事へのチャレンジの機会は貴重とも思えます。
もちろん、本当に興味を持てば、いつでも新しいことに挑戦は可能です。しかし、中学生や小学生の時期には、新しいことへのチャレンジが比較的容易だとも言えます。
だからと言って部活動に参加しなければ絶対に後悔するというわけではありません。自分の気に入らない活動を無理に続けることは、いずれの年代においてもストレスの原因となり得ます。
後悔するかどうかを気にするあまり、無理な選択をするよりも自分がやりたい事・やりたくない事を中心に考える方がよっぽど大事だと思います。
中学生が部活に入らない時の良い点・悪い点は?
中学の時期に部活を体験するかどうかは、学生の大切な時期の選択の一つです。
どちらの選択も良し悪しですが、中学の部活動の良点や、参加しない場合の不利点について、考察してみたいと思います。
部活に入った時の良い点・悪い点
部活に参加する場合の良い点
- 新しい友人を作るチャンス
- 困難を乗り越えるための心の強さを培う
- チーム内の役割を理解する
- 異なる年齢の人との交流
- 新しい技術や知識を習得する
- 一つの思い出として残る
- 共同での努力の成果を実感する
部活に入ることで、チームとしての経験や絆を感じることができます。
中学の時期でも、共に努力する友人との絆は成人してからも続くことが多いです。
一緒に活動する仲間との絆は、生涯の友となる可能性が高いです。
部活動に参加する場合の悪い点
- 睡眠時間・休息の時間が減る
- 家庭との時間が短くなる
- 人間関係や先生との関係に悩む時がある
- 週末や長期休暇の自由時間が取りづらくなる
- 必要な経費が発生する
- 毎日の学習時間が削られることがある
- 途中で辞めたくなった時に困る
- 怪我のリスク
部活動に参加すると、放課後や週末には活動や練習が入ることがよくあります。
そのため、家族や友達との過ごす時間が減少するかもしれません。特に夏休みの予定が立てにくく兄妹がいる家族の場合には、旅行の計画が合わなくなり旅行の回数が減ったなどの声も多いです。
個人差はありますが、途中で退部する際にとても気にしてしまって辞めづらいお子さんの場合、長い期間部活を辞める事を伝えるまでに考えてしまう事もあるようです。
部活に入らなかった時の良い点・悪い点
かつては部活に入らない事をを選ぶことは少なかったかもしれませんが、今はその選択も増えてきました。
部活に入らなかった時の良い点
- 時間の自由度が増す
- 体力的に余裕が出来る
- 他の趣味や勉強に集中できる
- 人間関係の悩みが軽減
- 特に眠くなる成長期にしっかり睡眠を確保できる
- 週末や長期休暇の予定がたてやすい
- 追加の出費が発生しづらい
最も大きな良点として、時間の柔軟性が挙げられます。
成長期によくある眠気・・・寝ても寝ても眠い、朝起きるのがしんどい。そんな時期だからこそしっかり睡眠が取れると、その分勉強も捗るしスッキリ過ごせるのは最大のメリットかと思います。
どうしても部活に入った以上、好き勝手には休むことが困難になります。家族の旅行やおでかけも周りの目を気にせず行けるのは嬉しいですね。
部活に入らなかった時の悪い点
- 学校内でのコミュニティ感が薄れる
- アルバムの部活のページにうつらない
- 部活参加者との交流が減少する
部活に参加しないことで、学校のコミュニティの中での役割が限定されるかもしれません。
しかし無理をして参加するものでもありませんし、友達が出来ないかもしれないと入るものでもありません。部活に入っていなくても、友達にはなれます。
部活の参加や不参加、どちらにもそれぞれの良い点・悪い点があるので、自分のライフスタイルや価値観に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
学生時代に体験できる活動は、特別な経験となり得ます。 多くのことに挑戦するこの期間は、一生に一度のチャンスです。
しかし、気に入らないことを強いられることは、必ずしも良いことではありません。
学業や将来の道に影響することは少ないため、自分の心地よさを最優先に考えて活動を選んでください。
活動に参加することにはメリット・デメリットがあるように、参加しない選択もそれなりの経験や学びがあります。
大切なのは自分らしく楽しむこと、ストレスをためて頑張るのではなく。後に思い返して満足できる経験を積むことです。